Acer Aspire 9110 ACアダプター

 この時点で、トップタイムは6分21秒281を出している。残り1時間20分、ようやく、KATANA JAPANは第1回目のスコアを審判部に申告した。タイムは、6分26秒486。PCのセッティングと設定、Dell Inspiron M101 ACアダプターそして、配布された2つのCPUから“先発”に耐えうる個体の選別ができたKATANA JAPANは、それまで構築作業が容易でCPUの入れ替えが短時間でできる水冷ユニットを使っていたが、ここで液体窒素液冷対応のクーラーユニットにシステムを組み替えた。ほかのチームが組み立てステージの1時間半と、第1ステージにこれまでかかった1時間強をかけてシステムのチューニングを行っているのに間に合うのか? しかし、KATANA JAPANが再構築に要した時間はわずかに約7分間。HP ProBook 5310m バッテリ そして、再構築後の起動もスムーズにいった。

KATANA JAPANは、試走を終えてSuper PI 32Mの“本走”にかかった。しかし、タイムはトップグループに届かない。CPUの状態は良好だが、相変わらずメモリタイミングのチューニングに苦しむ。残り40分。ブルースクリーンが繰り返し発生して起動がままならなくなってきた。ここまでに出ている最高スコアとトップとの差は約4秒。思わず「こりゃきついな」と声が漏れる。駆動電圧設定を変えて探りを入れると、残り30分でなんとか起動に成功した。マウスが認識されないなど不安定な状況だが、本走に挑んでまずは1秒差の3位スエーデン代表「Expandables」を追いかける。走れるのは5回ほどだろうかHP HSTNN-SB0H。しかし、Super PIがなかなか起動しない。そうしているうちに、ExpandablesとKATANA JAPANの間に独代表の「BenchBros」が割り込んできた。この時点でKATANA JAPANは5位。メンバーは“飲み放題”のレッドブルで気力を補給する。

 芝の「THNSNB064GCJ」という型番のモデルが採用されていた。通信機能は、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 2.1+EDR。搭載インタフェースはUSB 2.0×2、SDHC対応SDメモリーカードスロット、HDMI出力、ヘッドフォン/マイク端子と、薄型のタブレットPCとしてはそこそこ充実した内容だ。表面上部には有効131万画素のWebカメラも内蔵する。OSは32ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)だ。Dell Inspiron M101z ACアダプター

カメラは正面(120万画素)と背面(500万画素)に配置。通信機能はIEEE802.11b/g/nの無線LANとBluetooth 2.1+EDRを標準搭載する。DLNAをサポートしているため、動画や静止画、音楽などを、ほかのDLNA対応機器と共有することも可能だ。サウンドチップはWolfson WM8903を採用し、モノラルスピーカーとデジタルマイクも内蔵している。HP 580956-001

 インタフェース類は、HDMIミニ出力、USB 2.0、microSDHC対応microSDメモリーカード、ヘッドフォン/マイク共用端子を装備。GPS、電子コンパス、外光センサー、加速度センサー、ジャイロスコープといった、最近のタブレットでおなじみのセンサー類も一通り網羅している。

バッテリー駆動時間は公称で約8時間、充電時間は約3時間だ。駆動時間は液晶の輝度を60カンデラ/平方メートルに設定し、無線LANをオンにした状態で720pのHD動画を連続再生した場合の実測値とされている(この場合の消費電力は約4.02ワット)。内蔵バッテリーの交換はできない。Asus AP23-T91

 付属のACアダプタ(5ボルト/2アンペア出力、15ボルト/1.2アンペア出力)はコンパクト。実測での重量はケーブル込みで約93グラム(本体のみで約63グラム)と、持ち運びが苦にならないだろう。HP HSTNN-DB0H

 ACアダプタはUSBで接続する仕様で、製品にはUSBとタブレットのドッキングコネクタをつなぐケーブルが付属している。このケーブルでPCとUSB接続すると、PCとタブレットでデータのやり取りが可能だ。本体がスリープもしくは電源オフの場合は、PCのUSBバスパワーでの充電も行えるが、ASUSはPCのUSB給電が十分でない場合はアダプタ経由での充電がおすすめとしている。Dell 04YRJH

10時30分、Super PI 32Mのタイムを競う2時間の第1ステージがスタートした。しかし、KATANA JAPANはメモリの不安定な動きに苦戦する。OSの起動もままならぬほどの状況に、駆動電圧を下げていくが、それでもなかなか起動しない。Gyrock氏は、オーバークロックでほとんど使われないメモリ“チップ”が影響していると分析した。DELL 2XRG7 残り1時間30分でようやくOSが起動するまで設定が安定してきた。ベースクロック107MHz(ルールでCPU倍率は50倍に固定)と条件は悪くない。

 

残り20分。ベースクロック106.8MHzでトライしてSuper PI 32Mが完走したら、ベースクロックを107MHz台に引き上げる作戦にでる。残り時間は後2回のランがぎりぎり間に合うラインだ。残り9分で完走に成功した。ベースクロック107.3MHzで最後のチャンスにかける。起動はうまくいった。Super PI 1Mの試走でこれまでの最速をマークするHP AT907AA。CAL930氏は、これまでのランから「このCPUは、マイナス40度を下回ると減速する感じ」と過冷却に注意しながら、液体窒素を注いで最後のランを開始する。途中のラップもこれまでで最も速いペースだ。最後のランを見守りながら、Gyrock氏は、「メモリ(セッティング)を詰めればトップのギリシャと同じタイムは出せるはず。ギリシャはメモリの扱いがうまい」とSuper PI 32Mでトップスコアを出していて、過去の多くの大会で優勝してきたギリシャの代表チーム「HWBOX.gr」を評価する。Toshiba Qosmio F60-10Q ACアダプター

 このランで第1ステージはタイムアップ。KATANA JAPANは最後に挑んだ6分22秒515が最高タイムとなった。日本は6位。Gyrock氏もCAL930氏も順位は関係ないという。トップはギリシャのHWBOX.grで6分11秒094。トップと差は11秒で、ベンチマークテストごとに設けられた比重配点(CPU系は少なく、Asus Eee PC T91 Tablet ASUS Eee PC T91MT ACアダプターGPU系は多く配点して総合ポイントを求める)ポイントも1.6差だ。世界決勝に参加する多くのチームは、アジア太平洋州決勝の戦いぶりから「KATANA JAPANはGPU系ベンチマークテストのステージで成績が上がる」と警戒していた。

では本機の基本スペックを改めて確認しよう。

 基本システムは、Atom Z600シリーズのCPUとIntel SM35 Expressチップセットの組み合わせだ。こちらは開発コード名でOak Trailと呼ばれたインテルのタブレット/ミニPC向けプラットフォームである。Oak Trailは、従来のAtom Z500シリーズおよびIntel US15W/US15Xチップセットの組み合わせと比べて、グラフィックスやストレージまわりの機能を強化するとともに、ASUS Eee PC T91 ACアダプターチップセットのパッケージサイズの小型化やプラットフォームレベル(CPU/チップセット合計)での消費電力低減などが行われている。ちなみに本機はファンレス設計である。

CPUは、Atom Z600シリーズにおける2011年10月現在の最上位モデルであるAtom Z670を採用する。動作クロック1.5GHzのシングルコアCPUで、Hyper-Threading Technologyにより2スレッドの同時処理を可能とし、512Kバイトの2次キャッシュを搭載。グラフィクスコアとしてDirectX 9世代の「Intel GMA 600」を内蔵し、HD動画再生支援機能として1080PのH.264/VC-1のハードウェアデコードに対応している。LENOVO IdeaPad G460 ACアダプター

 メインメモリはPC2-6400 DIMMに対応し、容量は2Gバイト(固定)。データストレージには64GバイトのSSDを搭載する。SSDは、本評価機のデバイスマネージャーで確認したところ東

続いてベンチマークテストを行おう。今回は、同じく「2Wayスタイル」をうたい、同じAtom Z670を搭載するキーボード付きWindowsタブレット、富士通「FMV LIFEBOOK TH(TH40/D)」の結果も併記する。

photo CrystalDiskMarkで計測した内蔵SSDのデータ転送速度結果Asus 15G10N381200

 まずはSSDのパフォーマンスをCrystalDiskMarkで確認してみよう。ライト性能は廉価版SSDらしい無難なスコアだが、シーケンシャルリード性能は152.8Mバイト/秒をマークした。総合的にミニノートPC/Netbook/Windowsタブレットに搭載されるストレージとしてはかなり優秀だ。FMV LIFEBOOK THが搭載する1.8インチHDDの値と比べるとその差は歴然である。Acer Aspire 5650 ACアダプター

 Windows 7のエクスペリエンスインデックスは、プロセッサ、メモリ、グラフィックスのスコアはFMV LIFEBOOK THと同じ。プロセッサのスコアはそれぞれ2と低調で、SSD効果かLaVie Touchはプライマリハードディスクのスコアが5.9とやや良好という結果だった。また、メインメモリ容量が多いためか、ゲームグラフィックスでもFMV LIFEBOOK THに比べてスコアが良好だった。LENOVO G460L ACアダプター

 PCMark05やPCMark7でも、FMV LIFEBOOK THより全体的によいスコアが出ている。PCMark05のHDD Scoreは9922、総合のPCMarksで1508と、Atom Zシリーズ搭載のWindows 7マシンとしてはハイクラスの性能を持っている。Asus ASUS Eee PC T91 S101 ACアダプター

 ただ、Atom搭載機ならではのワンテンポ遅れる動作感覚は解消できておらず、タッチ操作のレスポンスも“すばらしい!”……とはお世辞でも言いがたい。拡大/縮小などの操作にしてもワンテンポ、ツーテンポ待ってようやく反応するいった感じであり、前述した某タブレットには残念ながら遠く及ばない操作感である。

photophoto PCMark05(グラフ=左)とPCMark7(グラフ=右)のテスト結果Asus ASUS Eee PC T91SA ACアダプター

photophoto Windowsエクスペリエンスインデックス(グラフ=左)とCrystalDiskMark 3.0.1(グラフ=右)のテスト結果

 バッテリー実動作時間はBBench 1.01(海人氏作)を用いて計測する。設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」、無線LAN(IEEE802.11g)で常時接続し、WebブラウザはInternet Explorer 9を使用。電源プランは標準の「LaVie」(ディスプレイ輝度40%)にて実施した。Acer Aspire 5680 ACアダプター

 実動作時間は、残量5%で休止状態に移行した時点で約288分(約4時間48分)だった。Windows 7搭載ノートPCとしては悪くない数値であり、ディスプレイ輝度を最も低く、かさらに電力プランを「省電力」にすればもう少し伸びると思われ、かつ本評価機は試作機であるため、製品版とはパフォーマンスが異なる可能性がある点は十分留意願いたいが、カタログ値である約10時間の半分以下にとどまった。LENOVO G460G ACアダプター

 とはいえ……、バッテリー容量が34ワットアワーであることや、同じプラットフォームであるFMV LIFEBOOK TH製品版の結果(23ワットアワーバッテリーで約239分)から類推すると、プラス数時間単位で動作時間が急激に伸びるとは思えないのが正直なところだ。常時無線LAN接続環境で利用することが前提なら、カタログ値の約10時間からはかなり割り引いて考えるほうがいいだろう。LENOVO G460E ACアダプター

 一方、ファンレス設計でデータストレージにSSDを搭載するため、動作音はほぼ皆無。こちらは、アイドル時でも負荷をかけても変わらず、非常に優秀だ。発熱については、Toshiba Qosmio F60-10K ACアダプターWebサイト表示やWeb動画の再生などをしばらくし続けているとNECロゴのある部分(表面、裏面とも)のあたりが少し熱を持ってくる(裏面で約43度)。ここはしっかり握って持ち続けるには少々つらくなる温度だが、それ以外はそれほど熱くならないので、別の部分を持てばよい。

“ただし”の項目はいくつかあるが、Windows 7搭載タブレットとしての完成度は高い

photo  Acer Aspire 9110 ACアダプター

 さて、LaVie TouchをアップルのiPad/iPad 2や、Android搭載最新タブレットの感覚で選ぶと、イメージとはだいぶ違うかもしれない。Windows 7でのテキスト入力など、比較的ライトな作業に制限して使うのであれば少し慣れれば問題ないが、タッチ操作や画面回転時のレスポンスはかなり厳しい。Samsung NC10-KA03 ACアダプター拡大/縮小やスクロール機能などを使ってWebブラウズを行う際の快適さも、iPad/iPad 2はもちろん、ひと昔前のCPUを搭載したAndroidスマートフォンと比べても物足りない。基本的に、OSがWindows 7である必要性があるユーザー以外には勧めにくい。

 価格はどうか。発売時の想定実売価格は10万円前後だ。(日の経過とともに価格変動はあるが)専用のドッキングステーション、キーボードとマウス、Office Home and Business 2010付き、そして新設計の2Wayスタイルを採用した新シリーズとはいえ、昨今2011年10月現在のA4スタンダードノートPC、あるいはタブレットデバイスの価格帯と比べてしまうと、コストパフォーマンスはそれなりという評価にならざるを得ず、もう少し“おぉっ”と驚かされる何かがほしい。Acer Aspire 9120 ACアダプター

 ただ、Windows 7搭載タブレットとしてはよくまとまっており、完成度はそれなりに高い。初心者・ライト層でも使える工夫がしっかり盛りこまれている。

 小型軽量のボディに視野角の広い液晶ディスプレイ、ドッキングステーションが標準で付属し、簡単タッチ操作向けのソフトウェア的工夫もぬかりはない。Samsung NC10-11PBK ACアダプター基本スペックもAtom搭載PCとしてはハイレベルであり、プラットフォームのポテンシャルはほぼ最大に引き出している。キーボードでの入力/ノートPC風の使い勝手を前提、あるいは主とするならば、やはりWindows 7搭載の本機のほうがiPadやAndroidタブレットよりも万人受けし、使いやすいと思われる。

 新しく手軽なタッチ操作スタイルで使えつつ、普通のPCスタイルでもAcer Aspire 9800 ACアダプター使いたいと思うライト層、Windows 7でしか動かないソフトウェアとともにタブレットスタイルでも使いたいと思うライトビジネス層(同形状の法人モデル「VersaPro タイプVT」も存在する)、とにかく軽いWindows 7搭載PCが欲しいと思う層、それらを総合して、たまにタッチ、でも普段はキーボードにてという人に検討の価値があるだろう。

inux Foundationが、”Making UEFI Secure Boot Work With Open Platforms“(オープンプラットホームにおけるUEFI Secure Bootへの対応)と題する研究論文をリリースした。Toshiba Qosmio F60-10U ACアダプター筆者は、LFのTechnical Advisory BoardのメンバーJames Bottomley(Parallelsのサーバ仮想化部門CTO)とJonathan Corbet(LWN.netの編集者)だ。これと並行してBottomleyは、CanonicalのテクニカルアーキテクトJeremy KerrやRed HatのシニアソフトウェアエンジニアMatthew Garretらと共に、”UEFI Secure Boot Impact on Linux“(‪UEFI Secure BootのLinuxへの影響)と題するもう一つの研究論文もまとめた。